【守ろう人権】技能実習制度運用要領一部改正

【守ろう人権】技能実習制度運用要領一部改正

令和4年2月18日、技能実習生の人権を守るために、技能実習制度運用要領の一部改正が行われました。

どのような改正が行われたのか、そしてなぜ改正が行われたのか、その背景も含めて見ていきましょう。

01 技能実習制度運用要領一部改正

外国人技能実習機構(技能実習機構)は「技能実習制度運用要領」の一部改正を公表しました。

その改正内容は、「臨時監査」に関するものです。

01-01 臨時監査とは?

監査とは、3ヶ月に一度、監理団体が実習実施者の元を訪れ、制度の運用状況などを確認して「監査報告書」を作成し、技能実習機構へ提出するというものですが、それ以外に臨時的に行われる監査が「臨時監査」です。

例えば実習実施者において

  • ・計画認定に沿った技能実習が行われていない
  • ・出入国関係法違反が行われている(不法就労者の雇用など)

以上のような情報を監理団体が得た場合、定期監査とは別に監査をおこない、状況の是正や技能実習機構への報告を行う、というものです。

01-02 実習生の人権は守られているのか?

令和4年1月24日、出入国管理庁・厚生労働省・技能実習機構の3者連名で、実習実施者・監理団体あてに注意喚起の声明が発表されました。

各種メディアで報道された、「技能実習生が日常的に暴力を受けていた」というニュースを受けてのものですが、上記3者連名での発表は異例で、ことの重大さを物語っています。

実習生の人権を守るための迅速な対策が求められる背景があり、この度の「技能実習制度運用要領」の一部改正が行われました。

【新着情報:技能実習生に対する人権侵害行為について(注意喚起)】

02 技能実習生の人権を守るために

具体的に、どのように改正されたのか見てみましょう。

【改正前】

この臨時の監査については、実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないなどの情報を得たときはもとより、実習実施者が不法就労者を雇用しているなど出入国関係法令に違反している疑いがあるとの情報を得たとき、実習実施者が技能実習生の労働災害を発生させたなど労働関係法令に違反している疑いがあるとの情報を得たときなどにも行うことが求められます。

【改正後】

(上記の内容に加えて)

特に、技能実習生に対する暴行、脅迫その他人権を侵害する行為が疑われる情報を得た場合については、迅速かつ確実に臨時監査を実施する必要があります。
また、臨時監査後、電話等により、その概要を直ちに実習実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の指導課に連絡するとともに、当該監査の実施結果については、監査報告書によりとりまとめの上、速やかに同課に報告する必要があります。

具体的には、監査報告書について、技能実習生の保護や早期の事案の解明が求められることから、臨時監査実施後、遅くとも2週間以内に報告することが求められます。

02-01 制度改正の意図

この度の改正で

  • ・問題があった場合の速やかな監査の実施
  • ・短期間での詳細な状況の把握

が行われることとなりました。

問題への迅速な対応が可能となることから、内容が酷い場合は数週間での技能実習の受入れ停止処分なども今後は行われることでしょう。

出入国管理庁・厚生労働省・技能実習機構連名での注意喚起に加え、この度の速やかな制度改正。

技能実習生への「暴力・脅迫・人権侵害」がまだまだ蔓延している状況に対して、本格的に改善していこうという強い意思が感じられます。

03 実習実施者に求められること

意図しての人権侵害は言語道断ですが、「意図は無いのに」そのように捉えられるケースもあります。

特に建設業でその傾向が多く見られますが、業種柄、高所での作業や重量物の取り扱いなど危険を伴う作業に携わることが多いため、技能実習生に限らず、現場での指導が厳しくなるケースが多くあります。

危険を避けるための厳しい指導が、人権を無視する行為ととらえられてしまうこともあります。

しかしそのような致し方ない指導もある中で、明らかな人権侵害の行為もあったため、「特定技能」での受け入れにおいても、建設業には様々な制限がかけられています。

  • ・給与形態は月給のみの設定
  • ・特定技能での受入人数に制限
  • ・建設業の許可がない企業は受入不可

これらの制限は、今までに発生した多くの問題によるものです。

そして悪い噂は海を越えてアジアの各国へわたり、例えばベトナムでは、いくら技能実習生の募集をおこなっても建設業の場合は一向に候補者が集まらないという状況となっています。

この現象はベトナムにとどまらず、インドネシア、ミャンマー、フィリピンなどにも広がっていく可能性があり、将来的には各国からの応募者がゼロという事態もありえます。

今回の制度一部改正は、建設業に限らず全ての業界において「暴力・脅迫・人権侵害」問題について再度目を向け、改善するきっかけととらえるべきでしょう。

そして今後も技能実習制度を継続して運用するために、わたしたち監理団体も含めて、この問題について継続して考えていく必要があります。

04 監理団体に求められること

わたしたち監理団体にも、技能実習生への「暴力・脅迫・人権侵害」を防ぐための対応が求められます。

「実習制度の健全な運用」という目的から軸をぶらすことない対応が必要です。

わたしたちエヌ・ビー・シー協同組合は、これからも変わらず、受入企業さま・技能実習生双方が制度に関わってよかったと実感できるようサポートしてまいります。

【外国人技能実習機構:「技能実習制度運用要領」の一部改正について】

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