技能実習生の給与状況は?

技能実習生の給与状況は?

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2019年の技能実習生の平均賃金相場は156,900円、2020年は161,700円でした。

2019年の日本国内の最低賃金の時間額平均が901円、2020年は902円、月給換算すると156,000円強ということで、最低賃金相当だった2019年に比べると2020年はあがっていますが、依然低い水準であることに変わりはないようです。

01 技能実習生を最低賃金で雇用することによる弊害

「最低賃金」とは、国が最低限度を定めてそれ以上の賃金を支払いなさいという制度です。

つまり「最低賃金」さえクリアしていれば法律上問題ない、だから技能実習生を最低賃金で雇用することにも問題はない、とも捉えられますが、その考えは別の問題をはらんでいます。

01-01 技能実習生の失踪を誘発

技能実習生の母国との貨幣価値の差により「技能実習生は最低賃金で雇用すればよい」というイメージをお持ちの方がまだまだ多くいます。
しかし技能実習がおこなわれるのは日本であり、技能実習生が生活するのは日本です。
最低賃金の場合、家賃を支払ったり控除が引かれた結果、地域によっては手元に残るのが10万円を切ることもあるでしょう。

残った金額で生活をおこない、そしてその中から母国への仕送りをするとなると、今後の実習へのモチベーションを保つのも難しくなります。

SNSを通じて他の会社、他の地域の給料と比較してやる気を失ったり、そんな心の隙に付け込んで「もっと簡単に儲かる話がある」という甘い誘いで失踪を促す犯罪グループもいます。

01-02 好条件の他社への転職を誘発

SNSで他の会社との給与を比較して、失踪には至らずとも転職を考えるということもあります。
技能実習では転職はできませんが、技能実習2号の間に「就職活動」をはじめ、実習期間が満了すると同時に特定技能として別の会社に転職するというのはよく聞く話です。

御社で3年間一緒に働き育て上げた人材が、給与だけを理由に転職していくのは、とても残念なことです。

01-03 労基法違反を誘発

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
「特定(産業別)最低賃金」の方が「地域別最低賃金」より高い金額水準で設定されていますが、「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」が同時に適用される場合には、高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
また、最低賃金の改訂があった場合にも、その金額を下回らないように見直しを行う必要があります。

給与が最低賃金や特定(産業別)最低賃金を下回ってしまった場合、技能実習機構から勧告を受けます。
一度の違反で技能実習計画の認定が取り消されるわけではありませんが、勧告後も改善されなかった場合、技能実習計画の認定が取り消されることになります。

02 賃金を高くして雇用すればよいか

ならば、技能実習生の給料を高くして雇用すればよいのか、というと、そう簡単な話ではありません。

技能実習生のことを考えて高い給料を用意した結果、どんどん実習生のやる気が低下していったという事例がありました。

02-01 給与が高すぎる問題

技能実習生に限らず日本人でもそうですが、自分への評価は給与で示されるのが最もうれしいものです。
日々の実習で技術が身に付き配属先への貢献度があがってくれば、その評価は昇給で示されるのがやはり一番うれしいですし、今後への活力となります。

日本人の場合「緩やかな昇給」も長期雇用を前提とすればそれほど問題ありませんが、技能実習生はそうはいきません。

技能実習生の雇用は時間的制限があります。
技能実習生は3年、もしくは5年で帰国することが決まっているため、日本人と同じように「緩やかで穏やかな昇給」では思ったような効果が見込めないことがあります。

初期の給与を高く設定しすぎたために都度の昇給が難しくなり、給与が頭打ちになった結果、技能実習生のやる気の低下を招いてしまったというケースがありました。

02-02 難しい給与問題

低すぎる給与は労基法を確認しなければなりませんし、技能実習生のやる気がもちません。
しかし高すぎる給与設定も、のちのちトラブルを招くこともあります。

給与設定は、監理団体と相談しながら慎重におこなうことをおすすめします。

03 まとめ

給与は、デリケートに扱いつつも明確でなければなりません。
実習への対価であるだけでなく、技能実習生本人への評価でもあります。

技能実習生のやる気を維持するためにも、しっかりと計画を立てた給与設定をしましょう。

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「技能実習制度は技術の移管を目的とした国際貢献の制度である」ということは周知の事実ですが、来日した技能実習生は配属先企業と雇用契約を結び、日々行う実習には賃金が発生します。技能実習生も、母国でおこなっていた業務のさらなる技術向上を目指して日本にやってきますが、母国と日本との貨幣価値の違いにより、実習の対価としての賃金にも意味を感じています。対価としてだけでなく自分への評価と捉えれば、その数字に対してよりシビアに考えることでしょう。労基法の側面からの給与について、また有益な技能実習にするための給与設定など、ポイントを押さえてご説明しました。

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