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【今こそ振り返ろう】技能実習制度の歴史

技能実習制度の目的は、「日本の技術を発展途上国に移転させること」です。
技能実習生を受入れ済みの企業様であれば、技能実習制度の意義はよくご存じでしょう。
※関連ページ:技能実習制度とは?

しかし、メディアで取り上げられる技能実習生の話題は「人手不足を補う労働力」「人権を顧みない非人道的な制度」など、現状から乖離した誤解に満ちたものがほとんどです。

なぜこのような話題ばかりなのでしょうか。なぜ誤解に満ちた印象ばかりなのでしょうか。

これには、技能実習制度の歴史が大きく関わっています。
改めて、技能実習制度の歴史を振り返ってみましょう。

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『技能実習制度』の歴史】

【日本の外国人政策からみる『技能実習制度』の歴史】
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01 技能実習夜明け前~技能実習前史

現在「技能実習」と呼ばれている制度は、「研修制度」を前身としており、1960年代までさかのぼります。
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01-01 1960年~1990年 外国人研修制度

技能実習制度の前身は、「研修制度」です。
この制度は、海外にある現地法人の社員研修として1960年代から行われていましたが、海外に拠点を持つような大企業だけが、研修制度の対象でした。

1980年代になると中小企業でも人手不足が顕著になり、海外拠点を持たない企業でも海外人材を受入れようという動きが活発になりました。
そして1990年には団体監理型による研修生受入れが開始され、現地法人を持たない中小企業も研修生の受入れが可能になりました。

この時、国会での議論もなく民意の形成なしで始まってしまったことで、制度としての目的もあやふやとなり、今に続く制度の悪印象の原因になったといわれています。

01-02 1991年 国際研修協力機構誕生

1991年には国際研修協力機構(JITCO)が誕生し、1993年に「技術の移転」を目的とする技能実習制度が始まりました。

技能実習制度は、日本の企業で必要な技術を学び、帰国後にその技術を生かして母国の経済発展に役立てる国際貢献を目的とされました。
しかし最初の1年は「研修」、2年目は「特定活動」とされたことで、それ以前の研修制度との区別が曖昧で、技能実習生も「研修生」と呼ばれることが多くありました。

01-03 この頃の研修生

研修生は労働者として扱われず、労働保護法の対象外となっており、報酬は月に約6万円でした。
労働ではないため残業や夜勤は禁止されていましたが、それでも残業をさせたり、残業代なしで残業をさせるような企業もあったようです。
この時代の研修生・技能実習生は、労働環境が劣悪で、一部では「奴隷制度」と揶揄されることもありました。

研修生の雇用形態
事前研修:1か月(手当6万円支給)
配属後:1年間技術の学習として
活動:1日8時間(研修)
給与:1か月(6万円)
残業:不可(夜勤不可)
研修生の活動期間
研修:1年間(特別な所要を満たした場合、同一企業で2年延長可)
問題点
実質労働に従事しているにも関わらず、労働者として扱われず、労働保護法の対象外であること

02 そして技能実習制度へ

さまざまな問題をはらんだ制度を改善するために、法改正が行われました。
※関連ページ:技能実習制度とは?

02-01 2010年入管法改正

2010年に入管法が改正され、以下の項目が定められました。

  • ・在留資格「技能実習」の誕生
  • ・受入れ停止・不正行為の罰則化
  • ・監理団体に対し、実習の管理・報告義務化
  • ・入国後1か月の講習が義務化
  • ・技能実習1号(1年目)でJITCOの試験に合格した人だけが、技能実習2号(2・3年目)に移行可能

これにより技能実習生は全ての期間で労働保護法の対象となり、また不正行為への罰則が定められたため、待遇は大きく改善されました。

02-02 2017年技能実習制度の改正

2017年1月には技術の移転という外国人技能実習制度の目的に沿った実習を適正に行っているかを監査する外国人技能実習機構(OTIT)が設立され、同年11月に「外国人技能実習生の適正な実施及び、技能実習生の保護に関する法律」が施行されました。

それまでは国際研修協力機構(JITCO)が巡回・指導を行っていましたが、悪質な監理団体・実習実施機関(企業)を見つけても強制的に調査をすることは出来ませんでした。
しかし技能実習機構には強制的に調査する権限があたえられ、また、不正・人権侵害に対する罰則もさらに厳しくなりました。

技能実習制度を悪用する監理団体や企業への取り締まりが強化された一方、制度を正しく運用する機関は「優良」に認定され、3年間の在留期間を終えた技能実習2号を、新たに追加された在留資格「技能実習3号」としてさらに2年、受入れを延長することが可能となりました。
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03 こんなに変わった技能実習制度

改めて、研修制度と技能実習制度を比較してみましょう。

03-01 研修制度(過去の制度)

研修生の雇用形態
事前研修:1か月(手当6万円支給)
配属後:1年間技術の学習として
活動:1日8時間(研修)
給与:1か月(6万円)
残業:不可(夜勤不可)

03-02 技能実習制度(現在の制度)

外国人技能実習生の雇用形態
事前研修:1か月(手当6万円支給)
配属後:日本人と同様に活動
活動:1日8時間(実習)
給与:日本人と同等給与(地域別最低賃金から可能)
残業:可能(夜勤可能)

04 まとめ

駆け足で制度を振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか。

技能実習制度は、前身の研修制度から大きな変貌を遂げ、改善されてきました。
未だに「奴隷制度だ」と揶揄されることもありますが、現状の制度は、不正や人権侵害が起こらないよう様々な取り組みがなされています。

これからもわたしたちエヌ・ビー・シー協同組合は、制度の意義を理解し、正しい運用を行ってまいります。
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