悪質な監理団体を選んではイケナイ 本当の理由

企業さまが技能実習生を団体監理型で受入れる際には必ず関係する監理団体。

監理団体には「一般監理事業」「特定監理事業」の2種類がありますが、それ以外の分類があることをご存じですか?

01 監理団体は2種類?

監理団体には「一般監理事業」「特定監理事業」がありますが、実はそれとは違う分類方法で2種類に分けることができます。

それは、「普通の監理団体」「悪質な監理団体」です。

01-01 普通の監理団体

監理団体の仕事には、送出し機関と提携し、技能実習候補生を募り、合格した候補者に日本語教育を施す、というものがあります。

ここで「送出し機関」が登場しましたが、やはり送出し機関にも2種類があります。
「普通の送出し機関」「悪質な送出し機関」です。

普通の監理団体は、普通の送出し機関と提携しています。
普通の送出し機関は、普通に技能実習候補生を募集し、面接で合格した候補者達から常識的な入学金と受講料を徴収して日本語教育を行い、時期がくれば技能実習生を日本へ送り出します。

日本にやってきた技能実習生は、約一ヶ月の入国後講習を終えたあと企業さまに配属となり、3年間・5年間の技能実習をがんばります。
母国で送出し機関に支払ったお金も完済し、仕送りを送ることもでき、技能も身に付け、充実した時間を過ごして母国へ凱旋します。

これが普通の送出し機関の仕事であり、普通の技能実習生の姿であり、普通の送出し機関と提携するのが普通の監理団体です。

01-02 悪質な監理団体

悪質な監理団体は、悪質な送出し機関と提携して技能実習候補生を募ります。

悪質な送出し機関は、技能実習候補生を募集する時にブローカーを使います。
ブローカーを使うことで募集にかける費用を抑えることができ、集まりにくい状況でも候補者を集めることができるからです。

ブローカーは、技能実習生について情報が行き届いていない田舎の方へ出向いて候補者に声を掛けます。
制度のことを知らない若者に声をかけ、日本に行けばものすごいお金が稼げると嘘をつき、高額な手数料を取って悪質送出し機関に紹介するのです。

悪質送出し機関も同様に嘘のジャパニーズドリームを刷り込み、法外な受講費をとって日本語学校へ入校させます。
高額な手数料と法外な受講料は日本で働けばすぐに返せると嘘をつき、技能実習生は方々で借金をしてそれを支払います。

そして日本にやってきます。

聞いていた金額とは違う月々の賃金に愕然とし、背負った借金が払いきれない膨大な負債であることを知ります。
実習の現場にやってこない彼を心配した企業の担当者が寮へ行くともぬけの殻・・・

これが悪質送出し機関の手口であり、だまされた不幸な技能実習生の姿であり、そしてそんな悪質送出し機関からのキックバックを受けるのが悪質監理団体なのです。

・・さすがにこれは極端な例になります。
しかし、去る2017年12月12日、テレビ東京放映の番組「ガイアの夜明け」にて、ベトナム送り出し機関関係者による、日本の監理団体が技能実習生の受入れを決めるごとにキックバック等を要求しているとの証言が報道されました。
また、その現地送り出し機関も、その金額補填の為に技能実習生から多額の入校費用を徴収していることが明らかとなり、結局その技能実習生は多額の負債を背負い、日本に来て数カ月で自ら姿を消す、いわゆる「失踪」となったという内容でした。

01-03 新しくなった制度のもと

2017年に技能実習制度が改正され、法務省・厚生労働省・外国人技能実習機構は、監理団体による悪質な行為が明らかになった場合、監理団体許可の取消や告発、受入れ企業の社名公開を含め厳しく処すとの取り決めをしました。

「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)でも、以下の通り定められています。

第二十八条 監理団体は、監理事業に関し、団体監理型実習実施者等、団体監理型技能実習生等その他の関係者から、いかなる名義でも、手数料又は報酬を受けてはならない。
2 監理団体は、前項の規定にかかわらず、監理事業に通常必要となる経費等を勘案して主務省令で定める適正な種類及び額の監理費を団体監理型実習実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収することができる。

第百十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
二 第二十八条第一項の規定に違反した場合におけるその違反行為をした監理団体の役員又は職員

新しい制度になったことで、上で紹介したような悪質な監理団体はかなり減りました。
それでもまだ受入れ停止となる企業や、認可取り消しとなる監理団体名が時折発表されています
しっかり取り締まる法律があるということへの安心感もありますが、逆にまだまだ法律を守らない監理団体がいることへの危惧を、技能実習制度に携わるものとして感じます。

02 悪質な監理団体を選んではいけない理由

悪質な監理団体を選んではいけない一番の理由は、技能実習制度の趣旨を理解していないことです。

実習生を安い労働力と見なし、現地の送出し機関にはキックバックを要求し、現地面接の際には送出し機関から手厚い接待をうける。
そのお金は悪質な送出し機関が実習生から徴収したもので、その負債の大きさに押しつぶされ、実習生は失踪してしまう・・こんな負のスパイラルに陥らないためにも、監理団体は慎重に選ばなければいけません

03 監理団体は、本当は3種類!?

監理団体には「普通の監理団体」と「悪質な監理団体」の2種類があるとお伝えしましたが、実はもう1種類存在します。
それは、「優良な監理団体」です。

優良な監理団体といっても、ここで指すのは一般監理事業のことではありません。
これまで申し上げたような、まだまだ残る技能実習制度の負の部分を隠し立てせずにつまびらかにし、技能実習生を受入れる企業さまに制度の趣旨をご理解いただく努力を惜しまない監理団体のことです。
また、キックバックを用意したり、実習生への過度な負担を強いるような送出し機関と決して提携しない監理団体のことです。

送出し機関をしっかりと厳選し、企業さまにも責任をもって実習生を育てる意識をもつよう促し、健全な技能実習制度の運用に力を注ぐ、そのような監理団体のことを、わたしたちは優良な監理団体と考えます。

03-01 健全な運用のために

エヌ・ビー・シー協同組合では、新たに技能実習生を受入れる企業さまとお話をする際、制度の趣旨をご説明し、ご理解を求めています。
また、送出し機関にも目を配り、複数の送出し機関と提携し、それぞれの送出し機関が切磋琢磨するよう求めています。

エヌ・ビー・シー協同組合は一般監理事業ですが、さらに、わたしたちが考える「優良な監理団体」であり続けるようこれからも努めてまいります。

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