技能実習生を受入れるためには技能実習責任者を選任しなければなりませんが、技能実習責任者はその名の通り「実習実施者における技能実習の責任者」となりますので、技能実習制度の正しい理解のためにも養成講習である技能実習責任者講習の受講が必須とされています。
今回は、技能実習責任者講習の内容、受講時期、受講方法についてご案内いたします。
01 技能実習責任者講習とは?
それでは、「技能実習責任者講習とはいったいどういったものなのか」順に見ていきましょう。
01-02 技能実習責任者講習の意義
技能実習生を受入れる実習実施者(受入れ企業さま)は、「技能実習責任者」を選任しなければなりません。
技能実習を運用していくためには、技能実習法や労働法について正しい知識を身につけた責任者の存在が必須です。
技能実習責任者講習は、その知識を身につけるための講習なのです。
01-01 技能実習責任者講習の内容
技能実習責任者講習は、一日の開催で6時間以上行うことが定められています。
講習内容は以下の通りです。
- ①外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律について
- ②出入国管理及び難民認定法について
- ③技能実習指導の行い方
- ④労働関係法令について
- ⑤労働災害防止・労働災害時対応について
- ⑥理解度テスト
2018年度までは、理解度テストの点数に関わらず受講証明書が交付されてきました。
しかし、2019年4月1日からは技能実習責任者の合格点は70点と設定され、合格点に満たない場合は再受講する必要があります。
当然、再テストの結果も70点以上でなければ合格できませんので、一日の講習をしっかり受講しなければなりません。
02 技能実習責任者講習の受講のタイミング
技能実習責任者は、過去3年以内に技能実数責任者講習を受講し、テストに合格している必要がありますが、受講のタイミングは「技能実習生を初めて受け入れる場合」と「継続して受入れている場合」とで少し異なります。
それぞれについて見てみましょう。
02-01 受講のタイミング~技能実習生を初めて受け入れる場合
「技能実習生をはじめて受ける場合」の技能実習責任者講習受講のタイミングは、「技能実習計画認定申請前」です。
技能実習生を受入れる際には、技能実習機構に「技能実習計画」を提出し認定を受ける必要がありますが、その申請を出すまでには技能実習責任者講習の受講を終えていなければなりません。
エヌ・ビー・シー協同組合の場合、面接の約一か月後に技能実習計画認定を申請しますので、それまでの受講が必須となります。
「面接の一ヶ月後までに受講が完了している」ことをめざし、技能実習責任者講習の開催日時を確認し、受講スケジュールを調整する必要がありそうですね。
02-02 受講のタイミング~技能実習生を継続して受入れている場合
技能実習責任者講習を受講し合格した場合も、3年以内に再度受講し、更新しなければなりません。
更新をおこなわないと技能実習責任者の資格がなくなってしまうので注意が必要です。
エヌ・ビー・シー協同組合では、受入企業さまごとの責任者講習の期限を把握し、必要なタイミングでご案内しています。
03 技能実習責任者講習の受講方法
技能実習責任者講習を受講するためには従来は受講会場まで行く必要がありましたが、現在ではオンラインでの受講も可能となっています。
受講時間は変わりませんが、タイミングが合うようであれば、オンラインでの受講を選択肢のひとつに加えてもいいかもしれませんね。
04 技能実習責任者講習の受講場所
技能実習責任者講習は様々な法人で開催されています。
各養成講習機関を、本部の所在地別でご案内いたします。
05 技能実習責任者と技能実習指導員の兼任も
いかがでしたでしょうか。
技能実習責任者の存在は、技能実習制度において必須のものとなっています。
円滑に運用するためにも、技能実習責任者講習の受講を忘れないようお気を付けください。
技能実習制度において、技能実習責任者と技能実習指導員、生活指導員の兼務は認められており、実際に兼務されている技能実習責任者のかたも多くいらっしゃいますが、求められる役割は異なっていますので、兼務には更なる制度への理解が必要です。
05-01 技能実習生を指導するコツをご紹介
技能実習指導員として技能実習生と接する際、これを心掛けるだけで指導がスムーズにいくコツが3つあります。
- ・実習生を理解しようとすること
- ・「伝わる」日本語を使うこと
- ・言葉以外のコミュニケーションもとること
この3つを心掛けることで、御社の技能実習生の成長が変わってきます。
技能実習生もわたしたちと同じ人間ですが、しかし国籍が違えば指導のポイントも違います。
しっかりポイントをおさえ、上手に技能実習生を育てていきましょう。